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2014年11月27日 (木)

適応指導教室の事例検討会

おとといは江戸川区教育研究所に行って、事例検討会のコメンテーターを担当しました。参加者は適応指導教室の相談員。江戸川区の適応指導教室とはこの4年くらいの関わりでしょうか。昨年は駒澤大学で行われたブリーフサイコセラピー学会でも「適応指導教室の臨床活動」としてポスター発表をしてもらいました。とても意欲的なメンバーです。
今回は家族関係が複雑な中学2年の子にどう関わるかということについて検討しました。適応指導教室は、まさに教室なので、面接の枠がない(構造化されてない)ところや、学校や家庭との連絡・連携を見たてて密にしていくところが難しいですね。私も適応指導教室で働いたことがないので、一生懸命想像力を働かせながら、いろいろな提案を伝えました。(アドバイスをしたというより、こちらの表現がピンときますね。)
事例を発表したのは駒澤大学院のOBだったのですが、子どもや親に真摯に対応していました。それはとても好感が持てましたね。事例検討終了後にそのOBから「この事例は、ぜひ先生と検討したかったんです。」と言ってくれたのは(お世辞半分とはいえ)嬉しかったですし、このような駒澤OBの活躍している姿を見れることは、教員冥利につきますね。

2014年11月24日 (月)

ロールプレイ授業での学び

  先週の金曜日(21日)は大学院1年の授業「臨床心理面接特論」を担当する日。この授業は後期はずっと複数面接のロールプレイをやっています。担当の大学院生2名に前もって何らかの問題を抱えている家族ロールを作ってきてもらって、それを他の大学院生がカウンセラー役になって面接をするという形式。1人約10分程度面接をしてから、それを見ていた他の大学院生と今後の面接の展開(次は何をやっていくか?)について5分ほど協議。そして次のカウンセラー役にバトンタッチして10分間面接をしてから、また協議、と繰り返していきます。

  この授業で面白いことの1つは、院生たちが5分間協議をしている間、2名の家族役の院生と私が教室の外に出て打ち合わせをするところ。なかなか役になりきれていない院生にノンバーバルの部分でこう演じると元々考えていた家族の雰囲気が出るとか、お互いが相手に対してこのように考えていると自然に表情はこう出てくるはず、などなど、ロール上の振る舞い方について、私がアドバイスしたりしています。なんか気分は演出家ですね〜。そのアドバイスで、院生がロールではあるけれども次第に家族の雰囲気がでてくる場合が多くて、それに対するカウンセラー役も「どんな家族(システム)なんだろう?」と一生懸命考えながら面接している。ロールプレイといいながらも、結構リアルな良い面接練習になっていると思います。あらためて役者が演じる時の演出家の存在は重要なんだと思いましたね。

  先日の授業での再発見は、「カウンセラーの質問はクライエントに相当影響力がある」ということ。カウンセラーからの問いかけによって、家族役の2人が中盤に「本当は自分は何を求めてカウンセリングを受けにきたのか混乱してしまった。」と言ったのが印象的でした。カウンセラーの質問にはカウンセラー自身の「関心」が反映されます。クライエントが語るどの部分にカウンセラーが関心を示しているのかが質問に込められていると言っても良いでしょう。当然、その影響をクライエントが受ける。ちなみにこのカウンセラーの関心がクライエントの「問題」に焦点が当たっていると、「問題を巡る会話」になるし、カウンセラーの関心がクライエントの「問題解決の力(=リソース)」に焦点が当たっていると「解決に向かう話」になる。これはブリーフセラピーや社会構成主義ではよく言われることです。カウンセラーの質問1つで会話が(あるいは現実や心理が)変わってしまうんですね。

  今回のロールプレイでも前半の何人かは「この家族はどんな家族?」という仮説を立てることに一生懸命になってしまって、つい問題探し(=問題を巡る会話)になってしまっていました。前半の面接は重苦しい雰囲気になっていましたね。そこで「仮説検証(=問題探し)だけでなく、家族のとの関係作りも意識して」とアドバイスしたところ、後半の面接は見事に笑いも起きる良い意味で軽い雰囲気になっていました。いや〜カウンセラーのちょっとした意識で面接は変わるんですね。その意識をどこに向けるかで、クライエントや家族にとって全く違う世界が展開するんだと、あらためて思いました。その目指す世界は、私にとっては、当然クライエントや家族がよりハッピーになっていく世界なんだと、再認識しましたね。

2014年11月20日 (木)

ブリーフセラピーはアドラー心理学の進化系?!

昨日の大学での授業は、ブリーフセラピーのソリューション•フォーカスト•アプローチ(SFA)で有名なインスー•キム•バーグの面接DVD「子どもは私の生きがい」を鑑賞しました。インスーがDVから逃れた2人の子どもを待つ19歳の母親と面接したものを、解説をはさみながら記録したDVDです。もう何度も観ているのですが、今回あらためて見ると、また発見があるものですね。
クライアントに対して「ここでどんなことができれば、あなたのお役に立ちますか?」と繰り返し尋ねながら、クライアントがこれまでやってこれたこと(DV男から逃げられたことなど)に驚き、感嘆し、労う。そして様々なユニークな質問を駆使しながら、クライアントの持っているリソース(能力やまわりの資源)を語ってもらう。それらを繰り返していくうちに、最初は暗い落ち込んだ表情だったクライアントが、終盤は生き生きとした自信に満ちた表情に変わっていく。熱心に見ていた学生たちもクライアントの表情の変化には気づいたようです。これらの作業を自然に暖かい雰囲気の中で行うインスーの名人芸にあらためて感動しました。
ただ鑑賞した学生の中には「良い雰囲気だったけど、何が良かったのかわからなかった」と感想を述べる者もいて、次回は少し詳しく噛み砕いて解説する必要がありそうですね。考えてみると、受講している学生はみんな臨床心理士になるわけではないので、名人芸をただ見せるだけではピンとこないのは当たり前ですよね。
人と会話する時にスムーズに、かつざっくばらんにできるコツが、インスーはじめブリーフセラピストとの会話にはあると思うので、その辺を話せれば良いかな〜?
授業でも言ったのですが「ブリーフセラピーはアドラー心理学の技法の進化系」であると思います。SFAで言われている「コンプリメント」は「勇気づけ」の一つのやり方だと思うし、ミラクルクエスチョンは「行動の結末」を丁寧に行った一連の手続きである、などと言ったら言い過ぎかな? でも間違いなくブリーフセラピーの様々な技法は、アドラー心理学の理論をさらに洗練させたやり方になっていると思いますね。
来週の授業は、またブリーフセラピーを取り上げるので、こんなふうにアドラー心理学とSFAを対比させながら解説してみようかな?

2014年11月15日 (土)

この1週間の振り返り

   この1週間はいろいろありました。その出来事の直後に書けば良いのですが、また面倒くさがり癖が出てしまいました。でも一つずつ思い出しながら書いていきますね。
  まずは8日(土)はお茶の水女子大の岩壁茂先生の大学院ゼミとの合同研究会を駒澤大学で行いました。岩壁ゼミも私のゼミもともに質的分析を採用しているので、それに関する大学院生の研究発表会という感じでしょうか?  どの発表もとても面白くて研究意欲を刺激されましたね〜。岩壁先生が実際に行っているカウンセリングのケースを対象にしている研究もあって、臨床実践と研究とがしっかりつながっているのがイイですね!  私もいつか自分の臨床を大学院生に研究してもらおうかな? その前に研究に値する実践しないとダメですね(笑)。岩壁先生はとても優しく勇気づけがてきる方で、駒澤の院生の発表にも丁寧に暖かいコメントをいただき、院生たちはさらに研究に取り組む意欲を掻き立てれたようです。よかったよかった。
   9日(日)は、私のオフィスで久しぶりのスモールグループ・ケースカンファレンス(SGCC)でした。あいにく日程が他の研究会と重なったため、参加者は女性4名とまさにスモールサイズ。でも大学院のゼミのようで楽しく行えました。参加者がそれぞれ抱えているケースや問題意識を出してもらって、それらを一つ一つ検討していきました。興味深かったのは「結婚出産と臨床心理士の仕事」というテーマでした。女性臨床心理士にとっては、働き盛りの時期にブランクができてしまうというジレンマや、ちゃんと復帰できるかという不安があるんですよね。男としてどのようなサポートができるか、これからも継続的に考えていきたいテーマですね。
   10日(火)は埼玉県総合教育センターへ。教員対象の「アンガーマネジメント研修」の講師を担当しました。今どきの教員は怒り(アンガー)のマネジメントやコントロールの勉強をするんですね。私はその専門家というわけではありませんが、アドラー心理学の中で感情の扱い方という考え方があるので、それをワークを通して紹介しました。参加された先生は熱心にワークに取り組んでいましたね。80分間という研修時間でしたが、やはり講義だけにしないでワークを入れながら展開する良さをあらためて感じましたね。ただセンターはとても遠かった〜もしまた呼ばれることがあったら、時間のゆとりを持った計画でお引き受けようと思いました。
    11日(水)はまた大学で臨床心理学の授業。アドラー心理学の続きでした。今回は「勇気づけ」について、勇気づけに関するワークを一つやってから講義したのがよかったのか、ミニレポートの反応も上々でした。こちらが一生懸命に準備した分、学生の反応がよくなっていくのは嬉しいものですね。次回もがんばろうっと!
   さて、今日はこれから横浜へ。昨年からお手伝いしている「支援助言士研修」の講師です。さて、今回はどんな方が参加されているか、楽しみながらできるとイイなあ〜
    まあ、自分、がんばってますかね?  仕事ができることに感謝です!
 

2014年11月 6日 (木)

大学でアドラー心理学の講義

   今週はアドラーづいていて、昨日は大学の「臨床心理学」の授業で、アドラー心理学の「考え方編」を講義しました。アドラー心理学の基本前提とも言われる5つ「個人の主体性」「全体論」「目的論」「認知論」「対人関係論」を少しワークを交えながら、お話ししました。今週初めにSMILEを学んでいたせいか、講義しながら即興でいろいろな実例や例え話が出てきやすかったですね。最初は(連休明けのせいか?)ノリの悪そうな感じだった学生達も、最後は熱心に聞いていたように思いました。
   私の授業は最後の10-15分は必ず学生にミニレポートを書いてもらっているんですが、それを読んだ感じでは、皆アドラー心理学に興味を持ってくれたよう。特に「個人の主体性」への反応•関心を示す学生が多かったのは、面白かったですね。
   「個人の主体性」とは、「自分の人生の主人公は自分である」と考えること。これだけだと「当たり前」と思う人は多いでしょうが、アドラー心理学では「あなたを作ったのも、あなたを変えるのも、あなたである」と考えるのが、この「個人の主体性」の意味なんですね。生きている中でいろんなことが起こる、それらを体験して、そこから何を得る(奪われる)あるいは学ぶ(学ばない)か、そしてさらに続く人生をどのように生きていくかは、自分自身で選択している。そう考えると、常にどのような時であっても、「今、自分ができることは何か?」と問いながら行動していくことは、この「個人の主体性」を取り入れていると言えるかもしれません。講義の後、ミニレポートを読んでみて、あらためてアドラー心理学の面白さ•奥深さを実感しましたね。来週は「実践編」として「勇気づけ」や「課題の分離」について講義する予定。評判の良かったワークも何か考えてみようっと!

2014年11月 4日 (火)

オフィスでSMILEを開催!

 11月2日〜3日という連休は、私のオフィスを会場にして、SMILE(Seminar of Mother & Father-child Interaction with Love and Encouragement)という研修を開催しました。SMILEは日本語では「愛と勇気づけの親子関係セミナー」といって、アドラー心理学をベースにした(タイトルにあるような親子関係に限定しない)人間関係のあり方について学ぶプログラムです。 ヒューマン・ギルドという新宿にあるアドラー心理学研修の総本山(?!)が開発したもので、私は今年の8月にもヒューマン・ギルドで受講しました。(講師はヒューマン・ギルド代表の岩井俊憲先生でした。) 以前から、是非自分のオフィスでもSMILEを開催したいと思い、企画して、今回実施に至ったという次第。この2日間は、さらなる自分自身のアドラー心理学の学びのため、8月に続いて2回目の受講となりました。 
 講師は臨床心理士の山口麻美さん。2年前くらいにブリーフセラピーの研究会でお会いして、その物腰の柔らかさにひかれて(?)、今回講師をお願いしました。山口さんもここ数年精力的にアドラー心理学をヒューマン・ギルドで学ばれた方です。
 2日間の研修は、朝9時半から19時までの長時間、みっちりと講義と演習と討論とロールプレイを織り交ぜるという形式で、山口さんが作り出す柔らかい雰囲気の中、受講生5名という少人数で、時間を忘れるくらい楽しく学べました。
 学んだ内容は復習も兼ねてここで少しずつ紹介していこうかな? SMILEのプログラムの素晴らしいところは、ただ研修を学ぶだけに留まらず、研修後の7週間にわたって日常生活で行う「課題」があるということ。その課題をちゃんと提出しないと修了証がもらえないというシステムになっているんです。 実は恥ずかしながら、8月に受講してから忙しさにかまけて、まだ2週間分しか課題をやっていなかったので、これから残り5週間分の課題をやっていくぞ!! ちなみに2週目の課題は「子どもを叱ることをやめ、子どもの適切な行動に正の注目を与える」。 「正の注目」とは、相手の行動に対して「良かったね」「助かった」などと勇気づけて関心を示すこと、声に出してポジティヴなフィードバックを行うことです。 うん、ここに書いた限りは、日々しっかり意識して、1つずつ課題をやっていこうっと!

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